第27回(平成15年) 飛騨文芸祭

<入賞作品集 飛騨文藝>

no27

<飛騨文藝・序文紹介>

ごあいさつ

高山市教育長 森瀬 一幸

 第27回飛騨文芸祭入賞作品集「飛騨文藝」が発行できましたことを、応募者の皆様、並びにご協力いただきました関係各位に、心よりお礼申し上げます。

今年も、飛騨地域内外よりたくさんの文芸作品が応募されましたことは、この文芸祭が地域を代表する文化事業のひとつとして、人々の間に根づいている証だと感じ、大変喜ばしく思っております。

 来年4月に開館予定の煥章館には、「高山市近代文学館(仮称)」を併設いたします。現在は、(社)高山市文化協会の多大なるご支援とご協力のもと、瀧井孝作、江間修、福田夕咲、早船ちよといった飛騨が生んだ偉大な作家を中心に、郷土の文学作品を収集・調査しも展示の準備を進めているところでございます。

 先人の遺した偉業を顧みることは、現代を生きる我々に様々な示唆を与えてくれます。
 そして、それは未来を切り開くための糧ともなるでしょう。
 この施設が、皆様の文筆活動にとっての拠点となれば幸いに存じます。

 おわりに、ご共催賜りました(社)高山市文化協会のご尽力に深甚の敬意と感謝を申し上げ、ごあいさつといたします。

高まる質と量

(社)高山市文化協会長 小鳥 幸男

 ふり返って見れば早いもので、当初「高山市文芸祭」と銘打っていたものを、飛騨全域にに地域を広げて「飛騨文芸祭」と衣更をしてから、今年で27年になる。

 この間、幅広い分野で数多い応募者を得ながら、この「飛騨文芸祭」は着実に発展して来た。
 それは単に応募者数の多寡ばかりでなく質の高さは回を重ねるごとに顕著になって来た。
 殊に、当初応募数の少なかった小説、評論、随筆のボリュームの多く、それだけ完成までに大変な努力を要する分野の作品の応募が殖えてきたことは、とりもなおさずこの「飛騨文芸祭」が汎く理解されてきた証といえる。

今回の選衝の経過は、それぞれ記してあるが幸い入選された方は、これをはげみに更なる高いものを求めて精進され、惜しくも選に漏れた方は、一層努力され、来年こそは見事入賞されるよう心から祈っている。

<受賞者一覧>

文芸祭賞 随筆 東 壽夫 「辻ヶ森の大清水」
江夏美好賞  
市長賞 小説 萩ノ脇 實 「杖」
 〃 俳句 谷口 智恵子 朝餉終へ飛騨のみ雪の予報きく 他
市議会議長賞 小説 南 アキラ 「愉快な仲間」
 〃 短歌 廣田 禮子

五位鷺にもぐるめの季節か羽撃きぬ

遡上に光る鮎を狙いて 他

市教育委員長賞 現代詩 今井 隆 「とぶ」
 〃 俳句 澤木 正子 春の夢砂時計より楽流る 他
市文化協会長賞 随筆 上小家 旭 「ヤドカリ」
 〃 随筆 蒲 園子 「京の庭師 佐野旦斉」
 〃 随筆 細江 隆一 「恩師の涙」
 〃 短歌 松﨑 糸子

百円市場の並ぶ野菜に蝶の舞う

路地には朝の水打たれいて 他

 〃 俳句 長瀬 理々子 草を取る人肌ほどの土に触れ 他
特別奨励賞 俳句 川原 宏和 深雪晴かなたの杉は地のつらら 他

受賞作品

 受賞作品の詳細については、(社)高山市文化協会までお問合せ下さい。

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