第24回(平成12年) 飛騨文芸祭

<入賞作品集 飛騨文藝>

no24

<飛騨文藝・序文紹介>

ごあいさつ

高山市教育長 森瀬 一幸

 第25回「飛騨文藝」が発刊されますことを衷心よりお祝い申し上げます。

 今回も、飛騨各地から小説をはじめ80点の文学作品が応募され、高いレベルでの審査が行なわれたとお聞きし、飛騨文芸祭が飛騨におけるアマチュア文学作家たちの研鑽の場として、定着しているのを喜ばしく思います。

 芸術表現をするということは、二つの喜びがあると私は考えます。
 一つは、完成した作品に対し、他人が共感を覚え、評価してくれた時の喜びです。
 この喜びは、本紙に作品が掲載された皆様が共通に味わった喜びでしょう。
 もう一つは、表現するための生みの苦しみを味わいながらも、それを完結した時の喜びです。
 惜しくも選に漏れた方も、自身の作品を生み出した瞬間には、この上ない喜びに満ち溢れていらっしゃったのではないでしょうか。

 暗い話題ばかりが目に付く昨今、喜びを感じて生きていけることは、大変素晴らしいことだと思います。
 今回ご応募くださいました皆様方の喜びが、周囲の方々にも広がり、次回は更に多くの方がご応募くださいますことを期待しております。

 最後に、主催されました(社)高山市文化協会のご苦労に深甚の敬意と感謝を申し上げ、ごあいさつといたします。

半世紀に近い成果

(社)高山市文化協会長 小鳥 幸男

 文芸は人の心の記録、文芸は人の生き様の証明。
 飛騨文芸祭も、回を重ねて25回、その前の高山市文芸祭と通ずると半世紀近くの時間の、飛騨びとの姿を、それぞれの分野で表白して来た意義は非常に高い。

 今年も、数多くの応募者を得て、飛騨文芸祭が催され、それぞれの力作が寄せられた。

 各分野の選評感は、誌内に詳しいので省くとして、決して、他の文この種の文芸祭と較べても、見劣りする事はないばかりか、その内容の高さは自負してはばからない。

 めでたく入賞された皆さんにお祝いを申し上げ、残念乍ら選に漏れた向には、次の機会を目指して精進され、力作をお寄せいただきたいと心から期待する。

<受賞者一覧>

文芸祭賞 小説 南 アキラ 「山峡の光」
江夏美好賞  
市長賞 随筆 大下 宣子 「赤い鞄」
俳句 垣内 ひろ子 年迎ふ神々の座に対峙せり 他
市議会議長賞 小説 萩ノ脇 實 「嘘」
児童文学 細江 隆一 「めざせ!四勝三敗」
市教育委員長賞 随筆 上小家 旭 「頓服」
俳句 谷口 ふさ子 ゆく春の桶を逆さに水を切る 他
市文化協会長賞 現代詩 帰雲 義和 「不思議な仲間」
短歌 廣田 禮子

癒ゆるかと思う声にて父は言う

華やかなりし国鉄時代を 他

俳句 野口 恒子 素性なぞ要らぬ暑さや緒の緩み 他
俳句 松原 初枝 さわさわと波たたみくる青田風 他
俳句 中嶋 美慧子 山の気と風筒抜けに昼寝かな 他

受賞作品

 受賞作品の詳細については、(社)高山市文化協会までお問合せ下さい。

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