江夏美好文学碑

碑文

「飛騨は「下々(げげ)の国」である。
 大化の改新(西暦六四六((五))年)のおり国制を「大・上・中・下」の四等に定められたが、飛騨は山また山の辺鄙ゆえ、下国のなかでも「下々の国」と呼ばれたという。
 「下々の女」より」

説明

 昭和58年(1983)8月2日に除幕された。同好有志によるもの。

人物

【江夏美好(えなつみよし)】
 大正12年(1923)1月19日生~昭和57年(1982)7月17日没
 小説家。阿曽布村出身、名古屋などに居住。本名は中野美与志。高山高等女学校中退。
 昭和18年(1943)大阪商工会議所が公募した戯曲で「母ぐるま」が入選。27年(1952)には「ごんぼ」で文学界新人賞を獲得し「文芸首都」の同人となった。32年(1957)から名古屋市に住み、34年(1959)同人誌「東海文学」を主宰。新人の育成を図りながら地方在住の作家として創作活動を展開。
 著書に『脱走記』『流難の記』(共に直木賞候補)といった歴史小説のほか、『檻の中の女』『阿古女のうた』『飛騨雪解』など。代表作に飛騨の女の一生を描き、田村俊子賞を受けた『下々の女』(昭和46(1971))